日本画家。1941年横浜生まれ。
大学を卒業後,昭和42年,日本ヘラルド系のPR映画社に入社。ハワイの宣伝映画製作で同島に渡り,移民一世と出会う。「明治期からハワイに渡り苛酷な労働で多くの人が脱落した悲劇を聞き,いつか紹介したい」と思う。
その後,映画制作会社,フリーの映像カメラマンを経て,昭和45年にテレビ神奈川に入社。平成11年に退職するまでの30年間,番組制作等に携わる。この間,30代で日本画を始め,画仙人と呼ばれた小松均氏に師事。
定年後は山梨県へ移住し,特産品の和紙を使って,念願の絵巻に着手。「これまでアジアなどへの移民のことは書かれているが,ハワイのことは意外に知られていない。それでどうしても知ってもらいたい」とハワイ日系人歴史絵巻を描き始める。
市川三郷町にアトリエを構えて10年以上,岩絵の具を手に地場産和紙と日々,向き合っている。
山梨の自然,風景,動植物を描いた作品が多く,地元のブドウ園に野生のキジが子連れで散策にくる様子を描いたユニークな『コッコチャン家族』(平成20年),身延町の山中で偶然見かけた姿をとらえた『アカヤマドリ』(22年),里山の新緑が鮮やかな『萌(もえ)る』(22年)など,「精魂を込めた」作品は数知れない。